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特集 輸血業務と臨床検査
輸血用血液の種類と作り方および輸血の適応
著者: 安部英1
所属機関: 1帝京大・第1内科
ページ範囲:P.1297 - P.1309
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輸血に用いられるヒトの血液としては,これまでおもに‘新鮮血液’と‘保存血液’とが取り上げられ,その作り方や保存方法,検査法や使用法,適応症や副作用などが考えられてきたが,これらはいうまでもなく,供血者から血液を採ったのちこれを輸液するまでの体外保存時間の長短による区別であって,その成分は供血者の血液そのままであった.ところが近時,外科技術が進歩してきわめて大がかりな手術や特殊な手術ができるようになり,いきおい必要な輸血量も著しく増してくるとともに,交通事故が頻発してそのために必要な輸血量も増し,また内科領域でも疾患の病理が解明されるにつれて,ヒトの血液を診断や治療に用いる範囲や回数がふえ,またそれらに必要な血液量が急増してきた.
しかしこれら輸血を必要とする場合を考えてみると,血液の成分全部のいるものは案外に少なく,それぞれの症例で目的とする血液成分は限られているのが実際の大部分であり,一方輸血用血液の供給源にも限界があって,あまりにも急な需要側の伸びに応ずることができないので,採取した血液(全血)から成分を分離し,状況によってはさらにこれを精製してこの成分のみを輸注する,いわゆる‘血液成分療法(blood componenttherapy)’が行なわれるようになった.このようにすれば,従来1人分として用いられていた血液は,成分ごとに何人分にも使用することができるからである.
輸血に用いられるヒトの血液としては,これまでおもに‘新鮮血液’と‘保存血液’とが取り上げられ,その作り方や保存方法,検査法や使用法,適応症や副作用などが考えられてきたが,これらはいうまでもなく,供血者から血液を採ったのちこれを輸液するまでの体外保存時間の長短による区別であって,その成分は供血者の血液そのままであった.ところが近時,外科技術が進歩してきわめて大がかりな手術や特殊な手術ができるようになり,いきおい必要な輸血量も著しく増してくるとともに,交通事故が頻発してそのために必要な輸血量も増し,また内科領域でも疾患の病理が解明されるにつれて,ヒトの血液を診断や治療に用いる範囲や回数がふえ,またそれらに必要な血液量が急増してきた.
しかしこれら輸血を必要とする場合を考えてみると,血液の成分全部のいるものは案外に少なく,それぞれの症例で目的とする血液成分は限られているのが実際の大部分であり,一方輸血用血液の供給源にも限界があって,あまりにも急な需要側の伸びに応ずることができないので,採取した血液(全血)から成分を分離し,状況によってはさらにこれを精製してこの成分のみを輸注する,いわゆる‘血液成分療法(blood componenttherapy)’が行なわれるようになった.このようにすれば,従来1人分として用いられていた血液は,成分ごとに何人分にも使用することができるからである.
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