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特集 輸血業務と臨床検査 輸血部の運営
1.輸血安全対策
著者: 三穂乙実1
所属機関: 1東京慈恵医大・第2外科
ページ範囲:P.1334 - P.1338
文献購入ページに移動 外科における手術成績の向上は,麻酔法や抗生物質の発達とともに,輸血,輸液の発展によりもたらされているといっても過言ではない.特に近年,輸血の使用量は激増の一途をたどっている.
1900年にLandsteinerによってはじめてABO式血液群が発見されてから70年の間に,保存血の発達,血液銀行の開発などが,驚くべき速さで行なわれてきた.わが国では近代的な輸血がはじめて行なわれたのは,1920年ごろといわれるから,わずか50数年の間に今日の発展をみているのである.一方,このような輸血需要の急激な増加に対して,その安全性については,必ずしも十分な対策が講じられていたとはいえない.もっとも,かつては血液群や血液型に対する知見が,現在のように詳細なものではなく,ごく単純なものであったし,認識も薄かったのであるが,免疫学的血清学的研究が進み,輸血に際して起こる異常反応を調べていくうちに,種々の因子や,免疫抗体の存在が明らかとなってきたのである.
1900年にLandsteinerによってはじめてABO式血液群が発見されてから70年の間に,保存血の発達,血液銀行の開発などが,驚くべき速さで行なわれてきた.わが国では近代的な輸血がはじめて行なわれたのは,1920年ごろといわれるから,わずか50数年の間に今日の発展をみているのである.一方,このような輸血需要の急激な増加に対して,その安全性については,必ずしも十分な対策が講じられていたとはいえない.もっとも,かつては血液群や血液型に対する知見が,現在のように詳細なものではなく,ごく単純なものであったし,認識も薄かったのであるが,免疫学的血清学的研究が進み,輸血に際して起こる異常反応を調べていくうちに,種々の因子や,免疫抗体の存在が明らかとなってきたのである.
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