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文献概要
典型的なカルチノイド腫瘍は,セロトニンを産生しいわゆるカルチノイド症候群を伴い,組織学的にも特異な形態を示すと同時に,銀反応(銀還元性反応:argentaffin reaction)に陽性を示す機能性腫瘍であるとされてきた.しかし,最近の研究によると銀還元性反応が陰性であっても,銀親和性反応(argyrophil reaction)が陽性であるカルチノイド腫瘍が、特に上部腸管や気管支原発のものにしばしば存在するため,この種の腫瘍の診断に際しては銀還元性と銀親和性の両反応を必ず試みることが必要であり,従来のように前者のみでは不十分なのである.
また両者ともに陰性のカルチノイド腫瘍も予想外に多く,私どもの調査では本邦症例62例のうち約1/2が無反応性,1/4が銀還元性,1/4が銀親和性細胞からなるものであった.
また両者ともに陰性のカルチノイド腫瘍も予想外に多く,私どもの調査では本邦症例62例のうち約1/2が無反応性,1/4が銀還元性,1/4が銀親和性細胞からなるものであった.
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