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文献詳細

雑誌文献

臨床検査16巻12号

1972年11月発行

文献概要

カラーグラフ

カルチノイド腫瘍の銀親和性反応

著者: 曾我淳1 畑野高四2

所属機関: 1新潟大第1外科 2新潟大外科組織室

ページ範囲:P.1378 - P.1379

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 典型的なカルチノイド腫瘍は,セロトニンを産生しいわゆるカルチノイド症候群を伴い,組織学的にも特異な形態を示すと同時に,銀反応(銀還元性反応:argentaffin reaction)に陽性を示す機能性腫瘍であるとされてきた.しかし,最近の研究によると銀還元性反応が陰性であっても,銀親和性反応(argyrophil reaction)が陽性であるカルチノイド腫瘍が、特に上部腸管や気管支原発のものにしばしば存在するため,この種の腫瘍の診断に際しては銀還元性と銀親和性の両反応を必ず試みることが必要であり,従来のように前者のみでは不十分なのである.
 また両者ともに陰性のカルチノイド腫瘍も予想外に多く,私どもの調査では本邦症例62例のうち約1/2が無反応性,1/4が銀還元性,1/4が銀親和性細胞からなるものであった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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