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文献詳細

雑誌文献

臨床検査16巻12号

1972年11月発行

文献概要

公害物質の検査法・4

かび毒(マイコトキシン)—アフラトキシンB1の検査法

著者: 倉田浩1

所属機関: 1国立衛生試験所衛生微生物部真菌室

ページ範囲:P.1427 - P.1432

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 ある種の青かび,こうじかびなどが産生する第2次代謝生産物中に強い発癌性をもつ物質が存在することが動物実験で証明されたのは,ここ10年来のことである.このような発癌性かび毒を産生するかびが,わが国民の主食であるコメやムギなどのいわゆるデンプン性食品を基質にしてその発育のみでなく,かび毒の産生性もきおめて良好であることが種々の実験で証明されている.この中でかび汚染ピーナッツ粕による七面鳥の中毒事件に原因したかびAspergillus flavusの産生する毒素アフラトキシン(以下AFと略す)は,最も強力な発癌性を有するものとして注目されている.
 AFB1ではラットの慢性毒性実験によると,飼料中15ppbの極微量で,雄ラットでは68週,雌ラットでは82週間で100%肝癌を誘発している.投与量とラットの1日の喫食量で換算すると毎日約0.2μg与えたことになる.このような極微量で発癌性を示す物質はこれまでに知られていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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