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一次元免疫拡散法によるCRP試験の検討
著者: 青木紀生12 出田修1 成瀬順1
所属機関: 1社会保険中京病院検査部 2日大・臨床病理
ページ範囲:P.1464 - P.1467
文献購入ページに移動C-反応性タンパク(C-Reactive Protein,CRP)は正常ヒト血清中にはみられない病的タンパクで,1930年Tilletらにより発見された1).発見当初は患者血清が肺炎双球菌のC-多糖体(C-莢膜物質)と沈降反応を示したことから,C-多糖体に対する特異抗体と考えられ,CRPと呼ばれるようになった.しかし,その後CRPは一般に炎症性病変や組織壊死性病巣が存在する場合に,急性相反応物質として高頻度に血中に出現する非特異的な病的タンパクであることが,MacLeadらにより発見された2).
CRPは生体内に病変が起こってから12-24時間のうちに血中に出現し,活動期を過ぎれば比較的すみやかに消失するため,CRPの検索は各種疾患の診断,経過観察および治癒判定を知るうえに役だち,その臨床的意義は大きく,今後ますます利用度は高まるものと思われる.現在のCRP検出法としては,抗CRP血清を用いて毛管内で沈降反応を行なうAndersonらの方法3)(以下毛管法と略)が一般的に普及しているが,今回われわれは一次元免疫拡散法によるCRP試験であるCRP-Plate‘北研'について2,3の基礎的検討を試みたので,その成績について報告する.
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