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文献詳細

雑誌文献

臨床検査16巻2号

1972年02月発行

文献概要

技術解説

ウイルスのプラックフォーメーションテスト—(plaque formation test)

著者: 赤尾頼幸1

所属機関: 1国立予防衛生研究所ウイルス中央検査部抗原抗血清室

ページ範囲:P.133 - P.140

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 Dulbecoがポリオウイルスおよび西部ウマ脳炎ウイルスを,単層細胞培養に接種して中性紅を加えた寒天を重層して,変性を起こした細胞によって,プラックが形成されることを報告して以来,急速にいろいろのウイルスに用いられるようになった.
 細菌の寒天平板培地上の1個のコロニーが1個の細菌から作られるように,1個のプラックは1個の感染性ウイルス粒子によって形成される,したがってプラック形成法をウイルス学的研究に応用することによって,(1)ウイルスの定量が従来の方法に比べて,感染性ウイルス粒子を直接数えることができるので,より正確になった.(2)プラック法によって中和後の生存ウイルスが正確に定量されるので,中和抗体の定量に応用され,詳しいウイルスと抗体との中和反応の解析ができる.(3)独立した1個のプラックからウイルスの純系(クローン)を分離することができる。(4)プラックの大きさや形状の差異は,ウイルス株間の遺伝的なマーカーとして利用することができるなど,ウイルス学の分野で果たす役割は大きい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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