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文献詳細

雑誌文献

臨床検査16巻4号

1972年04月発行

文献概要

技術解説

オーストラリア抗原の検出法—補体結合反応と免疫付着反応

著者: 小島健一1

所属機関: 1新潟大・輸血部

ページ範囲:P.357 - P.363

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 オーストラリア抗原(Au抗原)がいわゆる血清肝炎(B型ウイルス性肝炎,またはKrugmanらのMS-II)の病原体と密接な関係を有し,'感染性の指標'であることはもはや疑うべくもない1-7).したがって,肝疾患(急性肝炎,慢性肝炎,肝硬変,肝癌など),肝炎を合併しやすい疾患,たとえば白血病をはじめとする血液疾患,ホジキン病,癩腫性病,ダウン症候群,人工腎による長期血液透析患者など,さらに輸血領域(供血者と受血者)ではAu抗原(および抗体)の検索は常識化した.さらに'検査室肝炎'(Ergastric he-patitis)8)ということばも出るほど,医療従事者,ことに検査技師における検査室内感染事故が世界的に問題となっている時,Au抗原検出の意義はきわめて大きい.
 Au抗原の検出はMicro-Ouchterlony(MO)法によって始められ,現在もAu抗原の同定にはMOが必要であるが,MO法は検出感度が低いため,その後種々の方法が開発された9,10).補体の結合を利用した鋭敏な反応として,補体結合反応(CF)がまず応用されたが9-13),感度のより高い免疫付着反応(Immune Adherence Hemagglutination,IAHAまたはIA)による方法が真弓らにより報告され14),わが国では後者がむしろ普及している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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