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文献詳細

雑誌文献

臨床検査16巻4号

1972年04月発行

文献概要

Senior Course 血清

オーストラリア抗原(3)

著者: 稲井真弥1

所属機関: 1大阪府立成人病センター免疫血清検査科

ページ範囲:P.445 - P.445

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 1.肝炎におけるAu抗原の検出率
 オーストラリア抗原(Au抗原)は最初,Blumbergによって白血病患者に比較的しばしば見いだされることが報告された.次いで大河内博士(東大病院輸血部)らによってS-GPTの高い供血者にしばしば検出されることが報告されて以来,肝炎とこの抗原との関係が注目されるようになった.種々の疾患におけるAu抗原の検出率は,輸血後肝炎とinfectious hepatitisで最も高く,次いで種々の白血病,慢性腎炎などで高いといわれている.
 急性肝炎におけるこの抗原の検出率は,報告者によってかなり差があり,多くの研究者の成績をまとめたShulmanの総説によると,ウイルス性肝炎の866例中45%にAu抗原が検出されている.このうちinfectious hepatitisの379例では27%に,血清肝炎の383例では実に67%にこの抗原が検出されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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