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文献詳細

雑誌文献

臨床検査16巻4号

1972年04月発行

文献概要

Senior Course 細菌

Enterobacterとその鑑別

著者: 橋本雅一1

所属機関: 1東京医歯大・微生物

ページ範囲:P.446 - P.446

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 腸内細菌の分類と命名については,現在まだ十分に確定した概念がないことは周知のとおりである.ことに,Aerobacter,CloacaあるいはEnterobacterなどの菌群の性状については,研究者によってかなり意見が異なっている.この点については,Bergeyのマニュアルの改訂に伴って,近くより明確な記載がなされるものと期待されるが,ここではEwing & Edwardsの考えに従って,Enterobacterという属名を採用し,この属を4種,すなわちE. cloacae,E. aerogenes,E. liquefaciensおよびE. hafniae(または,E. alvei)に区別する.
 この考え方では,これまで腸内細菌の一属と考えられていたHafniaが種として取り扱われていることに注意されたい.この菌属は,Ewing & Edwardsの方法による腸内細菌の大まかなグループ別では(表),Klebsiella-Enterobacter-Serratia groupを構成し,硫化水素非産生,IPA反応陰性,V-P試験陽性という共通した性状をもつ.このグループを構成している菌属の簡便な鑑別法は前号に示したとおりで,Enterobacterの特徴的な鑑別性状は,IMViC試験--++,DNaseを産生しない,運動性の菌群ということがいえる.なおこの菌群では,乳糖分解性はそれほど重要な鑑別性状ではないことに注意する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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