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総説
臨床化学検査における測定誤差の許容限界
著者: 仁科甫啓1
所属機関: 1東京・虎の門病院臨床生化学検査部
ページ範囲:P.483 - P.489
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臨床検査,特に臨床化学検査における測定誤差はどの程度まで許容されるであろうか.臨床化学領域ばかりでなく,他の分野でも同じであるが,すべての分析結果は精度の高いほど望ましいことは論を待たない.一方,同時にそのためのむだな精力の消費もいましめるべきであろう.理想的な精密度設定のためのシェーマを図1に示すが,消費エネルギーと精密度の関係は等比級数的で,誤差をゼロにするためには無限大のエネルギーが必要となる.一方,臨床的有用性は実験誤差が大きいとほとんどゼロとなるが,精密度の上昇に伴って直線的に増加する.しかし,精密度がある程度以上よくなっても有用性はそれに伴って増加せず,頭うちとなるだろう.現実に設計されるべき精密度は臨床的有用性が十分高く,しかも労力の最小の点が望ましくなる(図1の↓の印で示す).
さて,検査的有用性はどのように決められるであろうか.
臨床検査,特に臨床化学検査における測定誤差はどの程度まで許容されるであろうか.臨床化学領域ばかりでなく,他の分野でも同じであるが,すべての分析結果は精度の高いほど望ましいことは論を待たない.一方,同時にそのためのむだな精力の消費もいましめるべきであろう.理想的な精密度設定のためのシェーマを図1に示すが,消費エネルギーと精密度の関係は等比級数的で,誤差をゼロにするためには無限大のエネルギーが必要となる.一方,臨床的有用性は実験誤差が大きいとほとんどゼロとなるが,精密度の上昇に伴って直線的に増加する.しかし,精密度がある程度以上よくなっても有用性はそれに伴って増加せず,頭うちとなるだろう.現実に設計されるべき精密度は臨床的有用性が十分高く,しかも労力の最小の点が望ましくなる(図1の↓の印で示す).
さて,検査的有用性はどのように決められるであろうか.
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