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ME機器の安全対策・5
臨床検査技師の取り扱うME機器の安全対策
著者: 本田正節1
所属機関: 1ME機器安全対策研究会
ページ範囲:P.497 - P.501
文献購入ページに移動 最近のME機器の進歩はまことにめざましいものがある.医学者はより新しい,より進歩したME機器の出現を渇望し,また工学者はこれらの機械が医学で,測定にあるいは治療に役だつことに注目し,国内的にも国際的にもM側とE側との歩みよりが行なわれ,約10年前よりME学会が設立されて,お互いに研鑽を重ねた結果,現在の盛況をみるに至ったわけである.
しかし,このような絢爛たる成果のかげに,電撃傷とか電撃死といういたましい事故が起こっていることは見のがせない事実である,ことに医学に携わっている者は,電気あるいは電子工学の知識の不足から,検査中の患者が心室細動を起こして急死しても,それは患者の心臓自体が弱って停止したいわゆる心臓死であると信じてしまっていて,実は電子機器の使用法を誤ったための,弱い電流による電撃死であることに気づかないこともありうるのではないかと思われる.現にアメリカでは年間の入院患者のうち,1200人が電撃によっで命を落としているという1,8).この死亡数はあまりにも多いので,どこまで信用してよいかわからないが,おそらく厳密な調査の結果発表されたものであろうと考えられるので,決して対岸の火災視することは許されない.
しかし,このような絢爛たる成果のかげに,電撃傷とか電撃死といういたましい事故が起こっていることは見のがせない事実である,ことに医学に携わっている者は,電気あるいは電子工学の知識の不足から,検査中の患者が心室細動を起こして急死しても,それは患者の心臓自体が弱って停止したいわゆる心臓死であると信じてしまっていて,実は電子機器の使用法を誤ったための,弱い電流による電撃死であることに気づかないこともありうるのではないかと思われる.現にアメリカでは年間の入院患者のうち,1200人が電撃によっで命を落としているという1,8).この死亡数はあまりにも多いので,どこまで信用してよいかわからないが,おそらく厳密な調査の結果発表されたものであろうと考えられるので,決して対岸の火災視することは許されない.
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