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文献詳細

雑誌文献

臨床検査16巻5号

1972年05月発行

文献概要

Senior Course 血液

血小板第3因子能(1)カオリン活性化法

著者: 安永幸二郎1

所属機関: 1京大・第1内科

ページ範囲:P.552 - P.552

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 血小板には止血凝固に関与する多くの因子が含まれているが,トロンボプラスチン形成に関与する因子は血小板第3因子と呼ばれる.血小板第3因子は血小板の脂質タンパク分画に含まれ,phosphatidyl ethanolamine(セファリン),phosphatidyl choline(レシチン),phosphatidyl serineなどのリン脂質成分からなる.大豆のリン脂質や脳のリン脂質でも同様の作用を示し,このような血小板第3因子を代用するリン脂質は,組織トロンボプラスチンに対して部分トロンボプラスチンと呼ばれる.近時血小板第3因子の作用はその粒子が血漿凝固因子の反応に触媒作用面を提供するものと考えられている.
 血小板第3因子の検査で心得ておくべきことの第1点は血小板第3因子の検査には血小板から放出された活性をみる血小板第3因子能と,血小板を破壊することによって血小板内の第3因子量のトータルを測定する2つがあるということで,第2点は血小板第3因子能検査にはカオリンを加えて血小板に接触—活性化を行ない,第3因子の放出を起こさせる方法(カオリン活性化法)と,トロンボプラスチン形成試験法(トロンビンが血小板に作用すると考えられる)があるが,この両者は多少意義が異なるということである.カオリン活性化法にはカルシウム再加時間法(Hardisty&Hutton)とStypven時間法(Spaet&Cintron)がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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