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螢光抗体法における観察法とその進歩
著者: 川村明義1 和田計二1 浜島健治1 村田道里1
所属機関: 1東大医科学研究所免疫学研究部
ページ範囲:P.28 - P.37
文献購入ページに移動螢光抗体法は原則として特異的抗原・抗体結合物中の抗体に標識された螢光色素を励起してやり,その発光(螢光)を観察する方法である以上,特殊の顕微鏡(螢光顕微鏡)―高エネルギーの発生装置,励起光の選択フィルターと,螢光は通すが散乱または反射励起光はカットするフィルターシステム,特に本法の観察に有利に設計された顕微鏡(暗視野コンデンサー,対物レンズ,ステージなど)―を必要とする.そして,その結果,①視野が明るく,広く,②コントラストが明瞭で解像力にすぐれ,③操作法が簡単なうえ,種々のフィルター系を組み合わせ用いられることが要求される.
螢光染色標本の観察とは異なり,螢光抗体法では時としてきわめて微量の螢光色素の発光をもトレースする必要があり,したがって,用いる螢光色素の特性にのっとり,すべて上記の条件を満たす装置の開発に中心がおかれた.螢光抗体法の生いたちからすでに40有余年経過した今日,おのずから用いられる螢光色素も選別され,現在ではその95%が青緑色の螢光を出すfluorescein isothiocyanate(FITC)で,残りの5%が赤橙色の螢光を用すtetramethylrhodamine isothiocyanate(TRITC)とtetraethylrhodamine(rhodamine B 200 RB 200)にしぼられている.
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