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文献詳細

雑誌文献

臨床検査17巻1号

1973年01月発行

文献概要

Senior Course 血液

骨髄像の見方・考え方(1)

著者: 桑島実1

所属機関: 1日大臨床病理

ページ範囲:P.118 - P.118

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1.造血組織の発生
 ヒトの血球生成は胎生2週ごろ卵黄嚢の一部が分化し,血球のもとになる細胞の集団(血島)を作ることから始まる.胎生3週に内皮細胞が血島をとり囲み,血島からはまず原始赤芽球(primitive erythroblast)ができる.胎生初期には血球生成に必要な物質が足りないためか,原始赤芽球は巨赤芽球に似た形態で原始ヘモグロビンを作るが,脱核した赤血球にはならない.そのうち原始赤芽球にかわり,成人のと同じ赤芽球(normoblast)が増加し赤血球が作られる.胎生3か月には原始赤芽球数:赤芽球数は1:1となる.
 胎生1か月ごろから卵黄嚢にかわり肝臓,次いで脾臓での造血が始まる.これが最大になる胎生4か月ごろ血管に富む骨芽組織が骨の軟骨原基内に進入し,軟骨質を破壊吸収し原始骨髄腔を形成する.ここに血管から造血細胞が進入し骨髄での造血が始まる(図1).それに伴って白血球系細胞,巨核球などの産生も盛んになる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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