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文献詳細

雑誌文献

臨床検査17巻12号

1973年11月発行

文献概要

Senior Course 細菌

Pseudomonas maltophiliaを同定するための要点

著者: 藪内英子1

所属機関: 1関西医大・微生物

ページ範囲:P.1546 - P.1546

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 Pseudomonas maltophiliaをheart infusion agarの平板に発育させると淡いレモン色のS型集落を作る.直径は約1mmで辺縁も表面も滑らかで美しい.SS agarには発育しないがdeoxycholate agarやMc Conkeyagarでは乳糖非分解集落を作る.これらの選択培地上の集落は培養2日めぐらいからしだいに褐色味を帯び特に濃厚に発育している部分で明瞭に着色する.ウサギ血液カンテン平板に密集して増殖すると培地を強く緑変する.市販の試験紙を用いてオキシダーゼ反応を行なえば陰性かまたは遅れて弱く陽性を呈する.塗抹染色標本では菌体の一端に規則正しい波型をもった長い鞭毛を房のようにつけた細胞が多数みられる.
 TSIの高層やSIM培地が硫化水素のために黒変することはないが,TSIの斜面上に鉛糖紙片を懸垂して培養すれば1-2日で紙の下端が黒変する.インドール反応,VP試験は全株陰性である.Simmonsクエン酸塩培地にはほとんどの株が生育しないが,Christensenクエン酸塩培地には全株発育し培地を赤変する.OF培地ではグルコースからよりもマルトースからすみやかに酸を産生する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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