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総説
皮内反応
著者: 佐野靖之1
所属機関: 1東京都養育院附属病院内科
ページ範囲:P.1582 - P.1588
文献購入ページに移動 GellとCoombsがアレルギー反応をI型からIV型に分類しているが,大別すると即時型アレルギーと遅延型アレルギーとに分けることができる.前者は体液性抗体,後者は細胞性抗体によって惹起されるアレルギーである.前者においてはその発現機序はほとんど解明されており,後者においては,最近リンパ球に関する免疫生物学的研究の進歩によって,ようやくその発現機序が徐々にわかりつつある.免疫学の発達によりアレルギー診断のための検査法も複雑化している.まず詳細な問診,理学的所見に始まって,直接皮膚反応,P-K反応,眼反応,鼻粘膜反応,吸入誘発試験,食餌試験,さらにin vitroの検査として免疫拡散法,白血球ヒスタミン遊離試験,赤血球凝集反応,リンパ球幼若化テスト,好塩基球脱顆粒現象,マクロファージ遊走阻止テスト,螢光抗体法,さらに最近では血清IgE抗体の測定などがあげられる.このうち直接皮膚反応は,穿刺反応(プリックテスト),掻皮反応(スクラッチテスト),皮内反応,貼布反応(パッチテスト)に分類され(表1),その目的によって①診断のための皮膚反応,②免疫機能(特に細胞免疫機能)診断のための皮膚反応に分類される.①として薬剤過敏テスト,感染アレルギーテスト,アレルゲンテスト,自己免疫疾患におけるテストなどがあり,②としてツベルクリンテスト,DNCBテストなどがあげられる.
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