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Senior Course 細菌
Achromobacter xylosoxidansを同定するための要点
著者: 藪内英子1
所属機関: 1関西医大微生物
ページ範囲:P.1654 - P.1654
文献購入ページに移動 非発酵性グラム陰性杆菌の運動性株を同定するためには,被検菌が極毛か周毛かを決めねばならないことは常識となった.運動性の有無を見るだけでは不十分である.新鮮標本での運動状況から被検菌が極毛性か周毛性かを推定することができるが,決定的な所見はやはり染色標本から得られる.ブドウ糖を酸化しない周毛性グラム陰性杆菌としてよく知られているのはAlcaligenesで,この属の菌と極単毛のPseudomonas alcaligenesや極多毛のComamonas terrigenaとの正しい鑑別は,鞭毛形態を無視しては考えられない.
Alcaligenes faecalisはヒトの腸管内常在菌であるといわれているが,実際にはあまり検出されない.Achro-mobacter xylosoxidansも非発酵性周毛性グラム陰性杆菌で,ブドウ糖からの酸産生が弱くてしかも遅れて発現するため,ブドウ糖非酸化菌と誤認されAlcalige-nesと考えられることが多い.けれどもA.xylosoxi-dansはA.faecalisよりも分離頻度が高く膿,喀痰,血液,脳脊髄液,熱傷,潰瘍,腹膜透析液など各種の臨床材料から純培養状に,あるいはStaphylococcusaureusやPseudomonas aeruginosaなどと混じて検出されている.
Alcaligenes faecalisはヒトの腸管内常在菌であるといわれているが,実際にはあまり検出されない.Achro-mobacter xylosoxidansも非発酵性周毛性グラム陰性杆菌で,ブドウ糖からの酸産生が弱くてしかも遅れて発現するため,ブドウ糖非酸化菌と誤認されAlcalige-nesと考えられることが多い.けれどもA.xylosoxi-dansはA.faecalisよりも分離頻度が高く膿,喀痰,血液,脳脊髄液,熱傷,潰瘍,腹膜透析液など各種の臨床材料から純培養状に,あるいはStaphylococcusaureusやPseudomonas aeruginosaなどと混じて検出されている.
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