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文献詳細

雑誌文献

臨床検査17巻4号

1973年04月発行

文献概要

異常値の出た時・4

ヘモグロビンの高い時,低い時

著者: 只野寿太郎12

所属機関: 1順大・臨床病理 2順天堂伊豆長岡病院

ページ範囲:P.396 - P.401

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 ヘモグロビン(以下Hb)は一種の色素タンパク質で血液中で酸素の運搬にあずかる.構造的には鉄ポルフィリン化合物とグロビンから成る複合タンパク質で分子量はアミノ酸組成から計算すると64,458である.Hb中の鉄はすべてヘム鉄として存在するのでHb1分子には4個の鉄を含むことになり,鉄量はHbの0.347%を占めている.機能の点から見ればHb(還元Hb)は分子状の酸素と可逆的に結合して酸素Hbとなるが,ヘム鉄1原子に酸素1分子が結合できるので1gのHbが結合しうる酸素の最大量は1.39ml/gとなる.Hbは本質的な機能としての酸素運搬能のほかにオキシダーゼ,ペルオキシダーゼ,カタラーゼなどの作用も微弱ではあるが持っており,血液検出の際のベンチジンやグアヤック反応に広く利用されている.
 血液中のHbの減少は貧血とよばれ造血力の低下,疾病の重症度,栄養状態の低下の指標として,また増加は多血症とよばれ慢性酸素欠乏状態や血液濃縮の指標として日常臨床検査室で最も頻繁に行なわれる検査の1つである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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