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文献詳細

雑誌文献

臨床検査17巻4号

1973年04月発行

文献概要

走査電顕の目・4

球状赤血球(Spherocyte)

著者: 小川哲平1

所属機関: 1慶大内科

ページ範囲:P.437 - P.438

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 遺伝性球状赤血球症(hereditary Spherocytosis)は,(1)溶血性貧血で黄疸があり,(2)末梢血に球状赤血球を認め,(3)浸透圧脆弱性が亢進し,(3)脾の腫大があり,摘脾によって臨床症状の改善をみる疾患で,常染色体優性遺伝により伝えられる.
 貧血の程度は症例により種々であるが,正球性で高色素性を呈し,MCHCは高くなるがMCVは正常である,網赤血球増多症がみられる.末梢塗抹標本で赤血球の大小不同がみられ,球状赤血球(Spherocyte)が認められるのが特徴である.球状赤血球はmicrosphero-cyteとも呼ばれ,直径が小さく厚みを増し,正常赤血球にみられる中央の淡染部がみられず,濃く染まってみえる.球状赤血球の出現率は患者によりさまざまである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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