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文献詳細

雑誌文献

臨床検査17巻5号

1973年05月発行

文献概要

走査電顕の目・5

骨髄

著者: 小川哲平1

所属機関: 1慶大内科

ページ範囲:P.561 - P.562

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 骨髄というと骨髄穿刺液の塗抹標本を見なれているせいか,液状の組織のように思われる人が多いようである.しかし骨髄は骨質にかこまれ一部には骨梁がはよいり込んではいるが,肝臓などのほかの臓器と同様に形をなした臓器である.したがって,骨髄穿刺液の塗抹標本ではその正しい理解は得られない.たとえば脂肪成分は塗抹標本の固定時になくなってしまっていることなど,造血巣の状態で把握しにくい点があり,また塗抹標本一様に細網細胞といわれているものは,骨髄にある動脈や静脈あるいは静派洞などの内皮細胞や,その血管周辺にある辺縁細胞,網状構造を作って造血細胞を支持している細網細胞,赤芽島中心にある細網細胞などが,その位置点関係を失って見られるためきわめて複錐となる.
 今回は骨髄中の静脈洞を中心にながめてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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