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文献詳細

雑誌文献

臨床検査17巻8号

1973年08月発行

文献概要

Senior Course 血清

白血球混合培養試験—Mixed Leucocyte Culture:MLC

著者: 伊藤忠一1

所属機関: 1東北大中検

ページ範囲:P.939 - P.939

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 リンパ球を試験管内でいろいろの刺激物質とともに培養すると,リンパ球は幼若化し,細胞分裂を起こすようになる.このような観察はNowell (1960年)によってファイトヘモアグルチニンを添加したヒト末梢白血球の培養の際に初めて観察された.次いでPearmainら(1963年)はツベルクリンで感作された動物のリンパ球をツベルクリンの存在下で培養する時にも同様の現象がみられることを認めた.
 一方,SchrekとDonelly (1961年)は単独の白血球を培養しても起こらないのに,遺伝的に異なる2人のヒトより,それぞれ採取した白血球を一緒にして培養すると,リンパ球の幼若化が起こり,DNAやタンパク合成が活発になり,細胞が分裂してくることを見出した.このように二つの異なる個体由来の白血球を混合して培養することを,白血球混合培養試験(MLC)と呼び,リンパ球の幼若化現象の起こり方を定量的に観察して本反応の程度を表現している.本反応には赤血球や血小板などは関係しない.一卵性双生児同志では本反応は陰性であるが,全く血縁関係のない人同志のMLCは強く起こる.血縁関係にある人(二卵性双生児や,兄弟姉妹など)の多くはその中間の反応を示すことから,この反応に関与するものは遺伝的に規定されているものではないかという当然の推測が成り立つ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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