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ICG測定値の安定性について—各条件下及び経時変動
著者: 二宮光子1 朝倉エミ子1 堂満憲一1 中津川泰子1 当摩正美2 秋山雄一2
所属機関: 1慈恵医大附属青砥病院中検 2慈恵医大附属青砥病院内科
ページ範囲:P.1021 - P.1024
文献購入ページに移動肝の総合的能力を容易に把握できるところから,従来よりBSP法が色素排泄試験として広く利用され,その臨床的意義が高く評価されてきた.しかしBSP法にも種々の欠点がある.特に腸肝循環や肝外排泄を受けるため必ずしも適確に肝機能を反映せず結果が不正確となる場合がある.また重篤なアレルギー性反応を起こす危険がある点などである.これらの欠点を十分補うものとして,近年Indocyanine Green(以下ICGと略)が注目され色素排泄試験としてルーチン化されつつある.
周知のごとくICGはBrookerおよびHeseltineによって開発された暗緑色のTricarbocyanine系の色素で,初めは心拍出量など循環機能をみるために1957年Fox1),Wheeler2)らにより臨床研究に導入された.また本色素が選択的に肝に取り込まれ尿中排泄がきわめて少なく2-4),腸肝循環も行なわず2,3)大部分が胆汁中に排泄されるという特性を持つところから1959年にはLeevy5),Hunton6)らにより肝の排泄機能検査として紹介された.本邦でも上田7),広瀬4),浪久8)らの報告を経て臨床検査法としての手技の確立が日本消化器病学会肝臓機能研究班9)によりなされ,現在ではその簡易化によりルーチン検査の方向を辿っている.
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