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文献詳細

雑誌文献

臨床検査17巻9号

1973年09月発行

検査と主要疾患・9

甲状腺疾患

著者: 畠山茂1

所属機関: 1横浜市大第2病理

ページ範囲:P.1038 - P.1039

文献概要

 今日,放射性ヨードを利用した諸種の診断法の発達により,甲状腺疾患の診断法は,臓器診断としては最も進歩した完成された体系を有している.
 甲状腺は内分泌臓器として甲状腺ホルモンであるl-サイロキシン(T4)とl-トリヨードサイロニン(T3)を分泌するが,上位にある下垂体前葉の向甲状腺ホルモン(TSH)によって支配されている.すなわちTSHの過剰分泌ないし投与により機能は亢進し,臚胞上皮の丈が高くなり,立方上皮から高円柱上皮化し,臚胞内のコロイド(サイログロブリン)の吸収が高まりホルモンの合成分泌の回転も速くなってくる.それに比例して甲状腺の131Iの摂取率が上昇し,血中のタンパク結合ヨード(PBI)の量が増す.ホルモンの増量で組織の酸素消費量が高まって基礎代謝率(BMR)が増し,逆に血清コレステロール値が低くなる(図).このようなTSHの作用は,サイログロブリンに対するタンパク分解酵素の活性を高めかつ血中ヨードの利用率を上げる働きにあるとされている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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