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溶連菌由来抗体検出用試薬スライド法および凝集法(Microtiter法)によるASO価測定—特に溶血法(中和反応)との比較および使用経験
著者: 岩田進1 河合忠2
所属機関: 1日大板橋病院臨床検査科 2自治医大・臨床病理
ページ範囲:P.1215 - P.1218
文献購入ページに移動溶血性レンサ球菌感染症ならびにそれに関連した疾患の診断には大きく細菌学的検査法と血清学的検査法がある.細菌学的方法は,感染と発症の時期のずれや,感染の軽重,抗生物質の進歩,菌の強弱など種々の因子により検出率は著しく低い.血清学的方法は,患者血清中に認められる溶連菌の菌体外毒素に対する抗体を証明することで,代表的な方法に抗ストレプトリジンO価測定(以下ASO価)があり,このほか表に示すごとく種々の外毒素に対する抗体価測定法が開発されている.このうちで日常検査として最も広く行われているものは,毒素中和反応を利用したASO価測定ならびに受身凝集反応を利用した抗ストレプトキナーゼ価測定(以下ASK価測定)である.特に急性腎炎,リウマチ熱などにおいては,先行感染としての溶連菌感染の証明は必要であり,ASO価測定が診断上重要な根拠となっている.ASO価測定は,現在では小規模の施設にも採用され普及しているが,術式に全く問題がないわけではなく,血清希釈の煩雑さや,それに伴う誤差,血球の問題,リポタンパクの影響や判定上の問題などがある.またA群溶連菌の中には,SLO弱産生株や,非産生株が存在する1,2)ことからASO価以外の方法の併用が望ましいといわれている.したがって,限られた人員で多種目の検査を行うには,ASO価測定の簡易化は望まれるところであった.
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