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文献詳細

雑誌文献

臨床検査18巻11号

1974年11月発行

文献概要

Senior Course 生理

腎クリアランス

著者: 小船善弘1

所属機関: 1日大第2内科

ページ範囲:P.1258 - P.1259

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 腎機能検査の中で,クリアランス試験は,腎循環,糸球体からの濾過量,腎尿細管での再吸収および排泄,水・電解質代謝調節能などを,定量的に把握しうることで,今日,腎生理学的研究面における応用と同時に,腎機能の臨床検査法として,すぐれたものであることはいうまでもない.すなわち腎障害の程度,疾患の病期,重症度,予後の判定,病気診断の補助的資料などにおけるクリアランス法の役割はきわめて重要なものであり,日常臨床医が繁用する理由もここにある.
 しかしクリアランスの持つ意義は,決して決定的証明をなされているものでなく,一般的に了解されている事がらとして取り扱われているにすぎないことも事実である.さらに腎疾患に際して,クリアランス法により得られた値からは,腎疾患の病名や病型に関する診断を期待することは適当でなく,腎の持つ現在の機能を示すだげのものであることは,銘記すべきであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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