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カラーグラフ
M.kansasiiの同定—一症例から
著者: 松井晃一1
所属機関: 1静岡県立富士見病院臨床検査科
ページ範囲:P.1266 - P.1267
文献購入ページに移動 非定型抗酸菌ならびに非定型抗酸菌症は,近年その発見頻度が高まってきており,これは検査面の開発,普及そして関心の高まったことによる1〜3).特に1972年に日本結核病学会抗酸菌分類委員会から出された試案4)は私どもの細菌室では手引きの一つとなっている.本症例もこの試案により鑑別同定したものである.患者は59歳になる女で48年7月に入院し6か月後に退院,入院時X線所見で右上肺野に空洞を認めており,微熱,咳があった.既往歴としては2年前に右乳癌で手術施行以後は60Cによる放射線治療を行ったことがある.入院時3回の喀痰検査では2回連続して本菌を検出,結核菌は認めなかった.入院後内視鏡検査による材料についても培養を行ったが,本菌も結核菌も分離できなかった.なお抗結核薬の感受性は,INH,PASは耐性,SM,KM,EB,CPMは不完全耐性,TH,VM,RFPは感性であった.また本菌が標準株P.18に比してS型集落であったことは下出5)の報告とも一致していた.
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