icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査18巻13号

1974年12月発行

文献概要

特集 日常臨床検査法 Ⅰ.スクリーニング検査と精密検査

1.化学—3)糖尿病

著者: 水野美淳1

所属機関: 1東京女子医大・内科

ページ範囲:P.1377 - P.1381

文献購入ページに移動
 糖尿病とは素質の疾患である.血糖,尿糖が最もよく糖尿病の診断に利用される検査ではあるが,その値は非糖尿病者と糖尿病者との間に,どこからが糖尿病という判然とした境界はない.また他の疾患で尿糖陽性,あるいは高血糖になる疾患は非常に多く,検査法として,糖尿および高血糖は決して糖尿病に特異的なものではない.しかし糖尿病は血管合併症を起こしやすい素因の疾患であり,治療を要する糖尿病患者の範囲が莫然とはしているが,合併症予防のためには,かなり早期の軽度な糖尿病の発見が必要である.
 一般に感度(sensitivity),特異性(specificity)がともにすぐれた検査法があれば診断は容易であり,そのような検査はその疾患の本質につながるものが多い.糖尿病で得られる検査所見はほとんどが量的な変化であり,かつ特異性もないことが糖尿病の診断を困難にしている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?