icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査18巻13号

1974年12月発行

文献概要

特集 日常臨床検査法 Ⅰ.スクリーニング検査と精密検査

3.血清—臨床検査法における定量法の意義

著者: 木村一郎1 吉田理恵子2

所属機関: 1東大・血清学 2東大血清学教室

ページ範囲:P.1390 - P.1393

文献購入ページに移動
 患者血清などからその疾患に特有な抗体や抗原を検出し,正確な診断の助けとするとともに,他の必要な情報を得ることが血清学的検査法の目的であろう.現在は多数の検体の処理のため,簡便な定性または半定量的検査法が多く用いられるが,定量的な方法の意義が失われたわけではない.
 抗体についていえば,健康人でも試験抗原に対する正常抗体や,以前の感染,予防接種などに由来する免疫抗体を持つことが多く,患者では別の疾患,近縁の病原体由来の抗体などを持つことがあるので,抗体の定性的証明がただちに診断につながるわけではない.しかし,これらの抗体は定量すると量が少なかったり,その他の定量的操作で鑑別が可能となる.さらに,疾病の経過や治療と並行して抗体価も消長するので,時期を追って得た定量値の比較は診断のみならず病状,治療効果などに対する重要な情報を与える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?