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文献詳細

雑誌文献

臨床検査18巻13号

1974年12月発行

文献概要

特集 日常臨床検査法 Ⅰ.スクリーニング検査と精密検査

4.細菌—塗抹検査と培養検査

著者: 高橋昭三1

所属機関: 1結核予防会結核研究所細菌・血清科

ページ範囲:P.1394 - P.1396

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 この2種の検査は,本来異質のものである.しかし,塗抹検査はスクリーニング検査であると一般的に考えられている.その理由は,塗抹陰性培養陽性の例が普通多くみられ,培養検査のほうが感度が高いとされるからである.一般に,尿道分泌物中のリン菌を検出しようとする場合,塗抹鏡検法は,培養検査法よりもやや低い検出率を示すにすぎず,それに対し未治療の結核患者では,検出率が培養では塗抹の104倍にも及ぶといわれる.手近な検体では,尿沈渣の鏡検で菌が1個みつかる時,培養ではおよそ105/ml,すなわち1白金耳で103の菌が生ずると考えられている.この数字は,上に述べた例でも著しい差があり,むしろたまたまこのような差があったと言ってもよい.両検査法の意義については別に考察しなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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