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文献概要
特集 日常臨床検査法 Ⅵ.病理
3.迅速切片作製法
著者: 平山章1
所属機関: 1東京女子医大・中検
ページ範囲:P.1529 - P.1532
文献購入ページに移動日常検査に使われる迅速標本作製法
現在病理組織検査の中で,迅速標本作製を必要とする場合は何と言っても手術時の迅速診断であるが,最も多く使われている標本作製法としては,次の2つがあげられる.すなわち,固定標本や生標本を電子冷凍器や炭酸ガスなどで凍結して,室温でザルトリウス型ミクロトームやユング型ミクロトームで薄切する方法と,クリオスタット(cryostat)のごとく凍結資料を冷凍室内に入れ,冷却したミクロトームおよびミクロトーム刀で薄切する方法である.
この両者の基本的な相違点は,前者は簿切の際凍結した資料は室内にあり室温の影響をうけやすく,標本の温度を一定させることがむずかしく,多くの場合は"感"に頼って薄切せざるを得ず,また,標本の厚さも一定せずせいぜい15μくらいの厚さのものが得られるにすぎない.しかし,この場合電子冷凍式のものでは標本の冷却温度の調節は比較的容易であり,また,ユング型ミクロトームに取りつけることが可能であるので,ザルトリウス型凍結ミクロトーム方式に比べて比較的均等な厚さの,しかもかなり薄い(10〜15μ)標本が薄切しうる.
現在病理組織検査の中で,迅速標本作製を必要とする場合は何と言っても手術時の迅速診断であるが,最も多く使われている標本作製法としては,次の2つがあげられる.すなわち,固定標本や生標本を電子冷凍器や炭酸ガスなどで凍結して,室温でザルトリウス型ミクロトームやユング型ミクロトームで薄切する方法と,クリオスタット(cryostat)のごとく凍結資料を冷凍室内に入れ,冷却したミクロトームおよびミクロトーム刀で薄切する方法である.
この両者の基本的な相違点は,前者は簿切の際凍結した資料は室内にあり室温の影響をうけやすく,標本の温度を一定させることがむずかしく,多くの場合は"感"に頼って薄切せざるを得ず,また,標本の厚さも一定せずせいぜい15μくらいの厚さのものが得られるにすぎない.しかし,この場合電子冷凍式のものでは標本の冷却温度の調節は比較的容易であり,また,ユング型ミクロトームに取りつけることが可能であるので,ザルトリウス型凍結ミクロトーム方式に比べて比較的均等な厚さの,しかもかなり薄い(10〜15μ)標本が薄切しうる.
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