文献詳細
文献概要
技術解説
Yersinia enterocoliticaの検査法
著者: 丸山務1
所属機関: 1都立衛生研究所微生物部
ページ範囲:P.143 - P.148
文献購入ページに移動Yersinia enterocolitica感染症
Y.enterocoliticaがヒトの病原菌として知られるようになってからの歴史は比較的新しい.本菌は虫垂炎との関連から問題が提起されたこともあって,当初は主として,虫垂炎やこれを疑わせる疾患である腸間膜リンパ節炎,あるいは回腸末端炎の一起因菌として,北欧やフランスなど欧州の一部で注目されていた.その後世界各国から報告された本菌感染症例の累積は,本菌が小児下痢症の重要な起因菌となりうること,さらに,敗血症による死の転機をとる急性経過から,関節炎などの慢性疾患にわたる多彩な病像をとることが明らかにされてきた.
年齢別,症候別発生頻度では,2歳以下の胃腸炎が大部分を占め,高年齢になるにしたがって病像の多様化がみられる1)(図1).
Y.enterocoliticaがヒトの病原菌として知られるようになってからの歴史は比較的新しい.本菌は虫垂炎との関連から問題が提起されたこともあって,当初は主として,虫垂炎やこれを疑わせる疾患である腸間膜リンパ節炎,あるいは回腸末端炎の一起因菌として,北欧やフランスなど欧州の一部で注目されていた.その後世界各国から報告された本菌感染症例の累積は,本菌が小児下痢症の重要な起因菌となりうること,さらに,敗血症による死の転機をとる急性経過から,関節炎などの慢性疾患にわたる多彩な病像をとることが明らかにされてきた.
年齢別,症候別発生頻度では,2歳以下の胃腸炎が大部分を占め,高年齢になるにしたがって病像の多様化がみられる1)(図1).
掲載誌情報