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文献詳細

雑誌文献

臨床検査18巻3号

1974年03月発行

文献概要

論壇

臨床検査雑感

著者: 有賀槐三12

所属機関: 1日大内科 2駿河台日大病院

ページ範囲:P.294 - P.295

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憂うべきこと
 近年の医学の中でも臨床検査の進歩発展はまことにめざましいものがある.年々新しい検査法が開発され,また従来のものに改良が加えられ,全体的に検査はしだいに高度化し,かつ拡大されてきており,それとともに専門的技術を要求されるものがしだいに多くなってきている.これに伴って病院の診療組織の中で,中検の占める分野は量,質ともに拡充されてきている.検査の種類をみても件数をみても,あるいは病院内で占める面積からみても,あるいは検査要員からみても実に著しい発展である.このことは一方には医師に対し,検査への依存性を増大させる傾向を生んでおり,また不必要なあるいは不急な検査をむやみと実施する傾向さえみられてきている.この傾向が検査件数の増加の要因になっているとすれば憂うべき現象である.
 回診の時に経験することだが,2,3日前に入院した患者で当然すぐ必要と思われる検査が"オーダーは出してあるがまだ返事が来ない"ということがよくある.オーダーを出すことが主治医の責任で,その結果が来ないのは中検の責任ということであろうか.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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