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文献詳細

雑誌文献

臨床検査18巻3号

1974年03月発行

文献概要

Senior Course 生化学

自動化学検査・3—標準液とスタンダーディゼーション

著者: 中甫1

所属機関: 1三井記念病院中検

ページ範囲:P.352 - P.353

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 自動分析における分析法は,主として吸光分析が用いられているが,本来吸光分析法は,ランバート・ベアー(Lambert-Beer)の法則が成立する範囲内においては,その測定物質のモル吸光係数がわかっていれば吸光度(または吸光度に相当するアナログ量)を計測することにより濃度を求めることができるはずである.
 しかし,これは測定物質または反応生成物が常に一定であり,同一濃度において常に一定の吸光度を示すことが前提条件となる.自動分析機の機種によってはモル吸光係数より濃度を求めるタイプがある.またUV法を用いNADH, NADPHなどのモル吸光係数より変化量を求める反応速度測定装置もその例である.しかし,NADH, NADPHのモル吸光係数は,多くの場合6.22×103として計算しているが,この値は光度計の波長幅によって異なり波長純度1.5nmでは6.21×103であったが,8nmでは5.87×103となり真値の94.5%を示したという報告もある1).したがって成書記載のモル吸光係数をうのみにしてあらゆる機種に応用することは危険である.一般には生体試料のように多成分系試料を用いる場合や多くのディスクリート方式の自動分析機のように直接法で測定する場合には,通常用手法でも行うように既知濃度標準物質を基準として未知試料の成分の相対濃度を求める方式が用いられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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