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文献詳細

雑誌文献

臨床検査18巻3号

1974年03月発行

文献概要

Senior Course 血液

骨髄の低形成と過形成

著者: 中島弘二1

所属機関: 1山口大第3内科

ページ範囲:P.354 - P.355

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 血液疾患は末梢血の細胞成分の量的質的異常によるものが多いが,赤血球,顆粒球,血小板は,骨髄において分裂増殖した母細胞が成熟したあと末梢血に供給されるため,血液疾患において骨髄検査は診断にとって必須の検査である.骨髄検査には骨髄穿刺により吸引した細胞について塗抹標本による細胞の形態学的観察を行うものと,生検1)により骨髄を組織として細胞構築の形態学的観察を行う方法があるが,生検によらないで骨髄穿刺により吸引した穿刺液の中にある骨髄組織小塊をパラフィン切片標本として骨髄組織の構造を観察することもできる2).骨髄の質的異常は主として骨髄細胞の塗抹標本による細胞の形態学的観察によってなされるが,骨髄の量的異常の有無は骨髄形成の程度および細胞分類によって判断される.
 一般に骨髄穿刺時にメランジュールによる骨髄有核細胞数算定が行われ,骨髄の形成度の指標となされている.またはミエロクリットといい遠心分離による細胞層の分布をみることも形成度の指標となりうる。しかし骨髄は末梢血と異なり,もともと浮遊細胞ではなく組織であり,吸引により組織間液および末梢血により浮遊液とするため吸引時におけるテクニックおよび骨髄組織の性質などにより末梢血による希釈のおそれがある.さらに骨髄細胞は一部遊離浮遊細胞とならず骨髄組織の小塊のまま吸引され,算定された有核細胞数は穿刺液のすべての有核細胞数を反映しない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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