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文献詳細

雑誌文献

臨床検査18巻3号

1974年03月発行

文献概要

Senior Course 細菌

検査材料採取の問題点

著者: 三輪谷俊夫1 船橋修之2 神木照雄2

所属機関: 1阪大微研細菌血清学部 2国立大阪病院検査科

ページ範囲:P.358 - P.359

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 臨床検査は単に診療収益をあげるための手段ではなく,また医師や検査担当者の学問的自己満足に終始することも許されない.臨床検査が患者の診療に役だつという検査本来の目的を達成するためには,まず直接患者担当の臨床医と検査担当者がその目的達成のために必要なコミュニケーションを持たねばならない.検査室で日常検査の術式・方法が決められているからといって,臨床医側と検査担当側の連絡を怠れば,患者の診断と治療に大きな支障をきたすことがある.疾病の種類によっては検査材料の採取時期や方法をしばしば誤り,正確な診断が得られないからである.これらの問題を円滑に処理するためには後述するように,各病院内に感染症対策専門委員会が常置され,その活躍が必要となる.
 また,臨床検査に関連してしばしば問題になるのは,研究目的のために行われる検査や将来起こるであろう院内感染を予防するための検査である.これらの検査は現在,健康保険制度の上では検査料が徴収できないことになっているし,病院側においても特別な予算は組まれていないのが現状である.しかし,これらの検査レベルを向上させたり,新しい検査法の開発や患者の合併症予防・再感染防止に重要な役割を果たすことは事実である.これらの点については近き将来,健保制度や病院管理の立場から十分に審議され,患者に直結した臨床研究や院内感染防止のための検査が行えるような予算処置がとられることが望ましい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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