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文献詳細

雑誌文献

臨床検査18巻4号

1974年04月発行

文献概要

技術解説

室内塵のダニ検査法

著者: 大島司郎1

所属機関: 1横浜市衛生研究所医動物室

ページ範囲:P.373 - P.382

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 室内塵に多くのダニが存在し,そのうちチリダニ類Pyroglyphidaeがアレルギー性の気管支喘息や慢性鼻炎に対して主要な抗原になることがわかってから1,2),室内塵性ダニの生態研究がさかんになった3〜8).また,室内で発生する原因不明の皮膚掻痒症の一部にこれらのダニが関係している場合がある9,10).さらに室内環境における衛生指標,特に清掃状況の客観的検査対象として,これらのダニが考えられている11)
 室内塵は主として室内の床面に推積している塵埃で,これを構成するものは,屋外から侵入・搬入されたもの,建築材・家具の破片,衣類・寝具から離脱したもの,人間の生活によって産生された残渣,および人やペットのフケや体毛のような脱泌物である.そして,カビやダニのように家屋内で発生する動・植物も含まれる.これらは毎日の掃除によって除去され,人や物に付着して外部に持ら出され,あるいは換気とともに外部に散逸する.そしてこれらの収支は人為的要因で大きく変動し,またその組成も大きな影響を受ける.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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