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文献詳細

雑誌文献

臨床検査18巻4号

1974年04月発行

文献概要

新しいキットの紹介

ノナン,イソプロパノール混液(抽出液)を用いる血清トリグリセライド測定法(TRI−25TM)の検討

著者: 田畑勝好1 富田仁2

所属機関: 1京大医学部付属臨床検査技師学校 2京大中検

ページ範囲:P.423 - P.426

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はじめに
 血清トリグリセライド(TG)は動脈硬化症,糖尿病など高脂血症において,その測定は重要である.従来の定量法にはクロモトロープ酸を用いたVan Handel Zil-versmit法1)やその変法2,3),アセチルアセトン(Hantz-ch)4)反応を用いたFletcher法5)などがある.しかし,これらの測定方法はリン脂質や糖を除去するために吸着剤を用いなければならず,また,操作も煩雑である.そのために測定誤差も大きかった.酵素法6)は高い特異性を有するが,多数の検体を処理するには少々困難である.
 われわれは今回,吸着剤を用いないで,n-ノナンを用いてTGを特異的に抽出し7,8),操作も簡単で,しかも25分間で測定できるDade社のTRI-25TMという血清(血漿)トリグリセライドのキットの提供を受けた.このキットは抽出剤としてイソプロパノールとノナンを用い,リン脂質や糖を除去してTGを抽出し,これにけん化液を加えてけん化し9),遊離したグリセロールは酸化液によって,ホルムアルデヒドに酸化され10),そしてHantzch反応によって呈色する.われわれはこのキットについて検討し,満足すべき結果を得たので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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