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文献詳細

雑誌文献

臨床検査18巻4号

1974年04月発行

文献概要

検査と主要疾患・16

特発性血小板減少性紫斑病

著者: 野村武夫1

所属機関: 1東京医歯大・内科

ページ範囲:P.450 - P.451

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1.特発性血小板減少性紫斑病とは
 皮膚や粘膜の溢血斑と点状出血を主症状とする病態を一括して紫斑病と呼んでいる.紫斑病は,①血小板の量的ないし質的異常,②血管壁の構造上ないし生化学的な欠陥のいずれかによって,血液が血管外へ漏出しやすくなった場合に発生するが,これらの中で血小板数の減少に基づいたものが血小板減少性紫斑病である.血小板減少は各種の疾患に際してみられ(表1),また,放射線やある種の医薬品ないし化学物質によっても起きることが知られている(表2).このような既知の原因が見当たらない症例で特発性血小板減少性紫斑病という診断が下されている.
 特発性血小板減少性紫斑病という長たらしい病名の代わりに,ITPの略称がよく使われる.これは,idiopathic thrombocytopenic purpuraのイニシァルを並べたものである.ちなみに,特発性idiopathicというのは,原因不明の意である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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