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文献詳細

雑誌文献

臨床検査18巻4号

1974年04月発行

文献概要

Senior Course 血清

ウイルスの血清学的検査

著者: 中村正夫1

所属機関: 1国立東京第一病院研究検査科

ページ範囲:P.470 - P.471

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赤血球凝集(HA)反応および赤血球凝集抑制(HI)反応(2)
 アデノウイルス:血清学的に31型のヒトアデノウイルスが知られているが,株によって凝集を起こす赤血球の種類が異なる.すなわち,サル(アカゲザルまたはミドリザル)およびラット血球に対する凝集の態度から3つの型に分けることができる.表に示すように,Ⅰ亜群はサル赤血球を,Ⅱ亜群はラット赤血球を凝集し,Ⅲ亜群はラット赤血球を不完全凝集する.この場合,Ⅲ亜群内の他のウイルスに対する抗血清を加えると完全凝集を示す.
 アデノウイルス粒子のタンパクには3種類が知られている.すなわち,A抗原(CFで検出されるアデノウイルスに共通な抗原),B抗原(抗原的には型特異性と共通抗原性がある),C抗原(HIやNTで検出される型特異抗原)に分けられる.A抗原はヘクソン,B抗原はペントン,C抗原は線維に相当する.このC抗原に赤血球凝集性がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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