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リンパ球のT cellとB cell
著者: 岩永隆行1 天木一太1
所属機関: 1日大第1内科
ページ範囲:P.487 - P.496
文献購入ページに移動 リンパ球が免疫反応の主役をなす細胞であることはよく知られているが,近年,これらリンパ球には機能および由来の異なる2っのsubpopula-tion,T cellとB cellがあることが明らかになった.T cellおよびB cellはともに骨髄にある幹細胞から生じるのであるが,T cellは幹細胞が骨髄から胸腺にはいり,胸腺上皮細胞の影響下で分化成熟し,末梢リンパ性臓器に分布したリンパ球,すなわち胸腺由来リンパ球で,B cellは胸腺の影響を受けることなく,直接骨髄から末梢リンパ性臓器に分布したリンパ球,すなわら骨髄由来リンパ球である.T cellとB cellはいずれも抗原に反応し,分裂増殖するが,B cellは免疫グロブリンを産生するリンパ球あるいは形質細胞となって,体液性免疫に関与し,T cellは活性化され,種々のlymphocyte-mediatorを放出し,主として細胞性免疫に関するとともに,抗体産生の補助的役割をも果たすのであるが,また免疫学的記憶細胞にもなると考えられている.
T cellとB cellはそれぞれ異なった特徴ある性質を有している.T cellはヒツジ赤血球とロゼットを形成し,phytohemagglutinin(PHA),concanavalin Aに反応して芽球化をし,抗リンパ球血清に感受性があり,ヒトでは胸腺リンパ球抗原を,マウスではθ抗原を有している.
T cellとB cellはそれぞれ異なった特徴ある性質を有している.T cellはヒツジ赤血球とロゼットを形成し,phytohemagglutinin(PHA),concanavalin Aに反応して芽球化をし,抗リンパ球血清に感受性があり,ヒトでは胸腺リンパ球抗原を,マウスではθ抗原を有している.
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