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直接法による不飽和鉄結合能(UIBC)検査法の検討
著者: 河喜多龍祥1 佐竹幸子2
所属機関: 1順大臨床病理 2葛南病院中央検査科
ページ範囲:P.548 - P.551
文献購入ページに移動血清鉄(SI)測定は,血液疾患および肝疾患などの鉄代謝異常疾患の診断に必要不可欠の検査である.しかし,無鉄試薬の調製,器具の脱鉄,保管,管理や測定操作中の鉄混入を防ぐなど細心の注意を必要とするため,日常,臨床化学検査においては比較的繁雑な検査のひとつである.また総鉄結合能(TIBC)や,不飽和鉄結合能(UIBC)測定は,トランスフェリン量を間接的に測定することが可能で,血清鉄と同様に鉄代謝疾患の診断鑑別,予後の経過を知るうえで,その必要性は十分認められている.その鉄結合能測定の中で現在,最も繁用されている炭酸マグネシウム(MgCO3法は,血清に過剰の塩化第二鉄を加え,不飽和トランスフェリンを飽和させ,残存する鉄をMgCO3で吸着遠沈後,上清を血清鉄と同様に除タンパクして測定を行う.この操作は非常にめんどうである.また,最近59Feを用いるRI法が,操作が簡単で,鉄汚染をMgCO3法ほど配慮しなくてもよい点で,臨床化学検査室で用いられるようになってきた.しかし,この方法も放射能測定装置を必要としコストが高く,まだ一般に普及した方法に至っていない.ところが今回,血清UIBC測定に吸着剤や除タンパク剤を使用せず,UIBC測定を比色法で行う簡易迅速な測定法が開発され,検討する機会を得たので報告する.
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