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日常検査の基礎技術
補体結合反応—緒方法およびウイルスCF反応
著者: 長田富香1
所属機関: 1東京女子医大病院・中険
ページ範囲:P.555 - P.562
文献購入ページに移動 試験管内抗原抗体反応の形式のひとつである補体結合反応(Complement fixation test,(CF反応と略す)は,沈降反応や凝集反応のように反応の結果を直接沈降物として眼で見て証明することがでぎない場合に,補体および溶血系の関与により間接的に抗原と抗体の特異的結合を証明するきわめて鋭敏な方法である.
その原理は図に見るように第1段階において抗原と抗体を反応させると,両者が対応するものであった場合には抗原抗体複合体が作られる.抗原抗体複合体は補体を結合するという特性を持っているために,これに補体を加えると補体は結合される.したがって第1段の抗原と抗体が同種のものであるか,異種のもであるかは,補体が結合されたか否かで判定することができる.これを肉眼的に証明するために第2段階で別の種類の抗原抗体複合体として,ヒツジ赤血球(抗原)とこれに対応する溶血素(抗体)を一定量結合させた溶血系を作り,これを第1段階に加える.溶血系はこれに一定量の補体が作用すれば完全に溶血が起こるが,補体が第1段階の抗原抗体複合体にすでに結合されていれば,その程度に従って溶血は阻止される.したがって第2段階の反応の溶血度を判定して遊離補体の有無と程度を知り,第1段階の抗原と抗体とが同種のものであったか,異種のものであったかをCF反応の陽性あるいは陰性として知る.
その原理は図に見るように第1段階において抗原と抗体を反応させると,両者が対応するものであった場合には抗原抗体複合体が作られる.抗原抗体複合体は補体を結合するという特性を持っているために,これに補体を加えると補体は結合される.したがって第1段の抗原と抗体が同種のものであるか,異種のもであるかは,補体が結合されたか否かで判定することができる.これを肉眼的に証明するために第2段階で別の種類の抗原抗体複合体として,ヒツジ赤血球(抗原)とこれに対応する溶血素(抗体)を一定量結合させた溶血系を作り,これを第1段階に加える.溶血系はこれに一定量の補体が作用すれば完全に溶血が起こるが,補体が第1段階の抗原抗体複合体にすでに結合されていれば,その程度に従って溶血は阻止される.したがって第2段階の反応の溶血度を判定して遊離補体の有無と程度を知り,第1段階の抗原と抗体とが同種のものであったか,異種のものであったかをCF反応の陽性あるいは陰性として知る.
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