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文献詳細

雑誌文献

臨床検査18巻5号

1974年05月発行

文献概要

Senior Course 血液

溶血の存在する時

著者: 中島弘二1

所属機関: 1山口大第3内科

ページ範囲:P.582 - P.583

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溶血とは
 赤血球は骨髄中の赤芽球が成熟し網赤血球となり末梢血に供給される.末梢血中網赤血球は24時間以内に成熟赤血球となり120日間血管内を循環したのち寿命がつきて網内系に取り込まれていく.溶血とは何らかの原因により血管内での赤血球の寿命が正常より短くなった状態をいう.正常の骨髄が貧血に対て造血能の亢進ができるのは少なくとも正常の3倍にはなれる(ときに6〜10倍にもなる)ため赤血球の崩壊が正常の少なくとも3倍以上にならなければ貧血は現れない.もし赤血球の崩壊が正常の3倍以下で貧血が存在すれば溶血だけでなく他の原因も関与していると考えられる.すなわち溶血が存在しても骨髄の代償的造血亢進により貧血を現さない場合,溶血性疾患と呼び溶血が正常の骨髄代償能を上回る時,貧血が起こり溶血性貧血と呼ぶ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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