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Senior Course 血清
ウイルスの血清学的検査
著者: 中村正夫1
所属機関: 1国立東京第一病院研究検査科
ページ範囲:P.584 - P.585
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ウイルス性疾患の血清学的診断法として用いられる検査法のうち,中和試験は最も特異性の高いものと考えられ,ウイルス感染症における中和抗体価の上昇は,血清学的診断としての意義も大きい.しかし,中和抗体はウイルス感染後長く血中に認められるので,この抗体の存在が直接疾患とは結びつかない場合もある.したがって中和試験を行う場合には,一般の血清検査におけると同様,急牲期,回復期のペア血清について抗体価上昇をみることが必要である.
ウイルスの中和反応の原理については,まだ不明の点もあるが,ウイルスの外側にあるタンパク抗原に抗体が結合するために起こる感染力の喪失で,ウイルス粒子の溶解ではないと考えられる.したがって,中和後,アルカリ,酸あるいはフロロカーボンなどの処理により,ウイルス活性を取りもどす例も知られている.
ウイルス性疾患の血清学的診断法として用いられる検査法のうち,中和試験は最も特異性の高いものと考えられ,ウイルス感染症における中和抗体価の上昇は,血清学的診断としての意義も大きい.しかし,中和抗体はウイルス感染後長く血中に認められるので,この抗体の存在が直接疾患とは結びつかない場合もある.したがって中和試験を行う場合には,一般の血清検査におけると同様,急牲期,回復期のペア血清について抗体価上昇をみることが必要である.
ウイルスの中和反応の原理については,まだ不明の点もあるが,ウイルスの外側にあるタンパク抗原に抗体が結合するために起こる感染力の喪失で,ウイルス粒子の溶解ではないと考えられる.したがって,中和後,アルカリ,酸あるいはフロロカーボンなどの処理により,ウイルス活性を取りもどす例も知られている.
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