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文献詳細

雑誌文献

臨床検査18巻5号

1974年05月発行

文献概要

Senior Course 生理

末梢神経伝導速度

著者: 中西孝雄1

所属機関: 1東大神経内科,脳研

ページ範囲:P.590 - P.591

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 末梢神経は,多くの場合,運動神経線維と感覚神経線維とが混合した神経の束から成っている.このうち,運動神経線維は筋を支配しており,筋が興奮すると数mVの活動電位を発生するので,その伝導速度は,あとに述べるような方法で,比較的容易に測定することができる.しかし,感覚神経線維は,運動神経線維のように,その支配下に大きな活動電位を発生する器官を持っていないので,その伝導速度の測定は,従来たいへん困難なこととされていた、というのは,感覚神経線維は多くの場合,運動神経線維と一緒に走っており,神経自体の活動電位は,皮膚表面で測定した場合,筋の活動電位の約千分の1にあたる数μVにすぎないからである.数μVの活動電位は普通のブラウン管オッシロスコープのnoise levelに相当する大きさなので,1回刺激で神経を興奮せしめ,その活動電位を記録することはたいへん困難なことであった.しかし,電子計算機の発達に伴って,活動電位を加算することが容易になったため,現在では感覚神経線維の伝導速度を測定することも容易となった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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