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総説
検査事故とその対策
著者: 北村元仕1
所属機関: 1虎の門病院生化学科
ページ範囲:P.617 - P.624
文献購入ページに移動 データの報告まちがいなどの検査事故は,日常臨床に伏在する問題であるが,これに関する調査研究は内外を通じてきわめて乏しく,その実態も明らかではない.私たちはこの問題を重視し,過去10年間,事例ごとに対策を講じてきたが,その自発的記録をすでに258例集積した.
事故の原因は多岐にわたるが,報告不能となったものでは遠心中の検体破損が最も多く,報告が遅延した例では比色計や記録計の故障が圧倒的であった.また報告まちがい例の内容は記録事務手順のミスと検体のとり違いが主体であり,特に多忙な曜日で多発した.
最近,Grannisらは日常化学検査に投入した管理血清の実に3.5%で報告ミスを発見しており,私たちの事例が氷山の一角にすぎないことを示唆したが,両者の内容は著しく類似し,検査事故が臨床検査室に共通する重大なテーマであることをうかがわせた.
事故の原因は多岐にわたるが,報告不能となったものでは遠心中の検体破損が最も多く,報告が遅延した例では比色計や記録計の故障が圧倒的であった.また報告まちがい例の内容は記録事務手順のミスと検体のとり違いが主体であり,特に多忙な曜日で多発した.
最近,Grannisらは日常化学検査に投入した管理血清の実に3.5%で報告ミスを発見しており,私たちの事例が氷山の一角にすぎないことを示唆したが,両者の内容は著しく類似し,検査事故が臨床検査室に共通する重大なテーマであることをうかがわせた.
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