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雑誌詳細

文献概要

研究

ブロムクレゾールパープルを用いる血清アルブミンの定量

著者: 岡村研太郎1

所属機関: 1兵庫県立尼崎病院研究検査部

ページ範囲:P.646 - P.650

はじめに
 血清アルブミンの測定には塩析法,電気泳動法,色素結合法が行われてきた1).このうち色素結合法には,アゾ色素のHABCA2,3)やメチルオレンジ4,5)を用いる方法があり,さらにスルホフタレン型色素のブロムスルホフタレン6),フェノールレッド7)を用いる方法がある.最近スルホフタレン型の色素として,ブロムクレゾールグリーン(以下BCGと略)を中性付近のpHで用いる方法がRodkey8)によって報告され,酸性側pHで用いる方法がDoumas9),水田10),林11)によって検討され,キット試薬も市販されはじめた.一方,同じ型の色素ブロムクレゾールパープル(以下BCPと略)を用いる方法がLouderback12),Carter13)によって報告された.
 われわれはBCG,BCPと構造が類似するスルホフタレン型のpH指示薬である,ブロムフェノールブルー(以下BPBと略)およびブロムチモールブルー(以下BTBと略)を選び,BCG,BCPをも含めて血清アルブミン測定の基礎的条件について検討した.この結果血清アルブミンとのみ反応するのはBCPであったので,BCPを用いる血清アルブミン測定法を定め,HABCA法,Beckmanマイクロゾーン電気泳動法で測定したアルブミン値と比較したので報告する.

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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