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文献詳細

雑誌文献

臨床検査18巻6号

1974年06月発行

文献概要

走査電顕の目・18

尿沈渣—膿尿

著者: 木下英親1 田崎寛1

所属機関: 1慶大泌尿器科

ページ範囲:P.685 - P.686

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 膿尿は血尿と同様,泌尿器系疾患の重要な症状である.尿沈渣検査において尿中白血球の消長をみることは,腎盂腎炎,膀胱炎,尿道炎,前立腺炎(前立腺マッサージ後の検尿も含めて)などの炎症性疾患の診断治療にとって同時に行われる尿中細菌の検索とともに必要不可欠なものである.
 急性膀胱炎は,泌尿器科外来において日常しばしばみられる疾患で,多くは単純性細菌性膀胱炎で,その起炎菌の大半は大腸菌(Escherichia coli)である.女性に多く,3分の2は20〜30歳台に発生する.男性では年齢にあまり関係なく,前立腺炎,前立腺肥大症,後部尿道炎などから二次的に発生することが多い.おもな症状は排尿痛,頻尿,尿混濁で,尿中白血球,細菌の存在によって診断され,起炎菌に対する化学療法によって大多数は容易に治癒にいたる.再発をくり返したり,難治性な場合は,腎膀胱結核や膀胱腫瘍などと鑑別をする必要があり,またほかに原因を探索するために,尿路レントゲン検査,膀胱鏡検査などの泌尿器科的検査を行わなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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