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文献詳細

雑誌文献

臨床検査18巻7号

1974年07月発行

文献概要

異常値の出た時・19

赤血球数,網赤血球数,赤血球指数と恒数

著者: 永井清保1 金丸昭久1

所属機関: 1兵庫医科大学・第2内科

ページ範囲:P.747 - P.753

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 赤血球数,網赤血球数,赤血球指数および恒数などは臨床検査のなかで最も基本的かつ最も頻繁に行われているもので,これらのいずれにかに異常値が出た時,特定の疾患名を思いうかべるより前に,まず検査の手技,あるいは測定の方法に誤りはなかったかふり返ってみることも必要なことである。血液学的検査を行ううえで,それ以前の問題として以下の二,三の基本的なことがらは当然知っておくべきである,①採血の方法,採血する部位でその後の検査結果に違いが生じてくる.一般に毛細管血のほうが静脈血よりも値は高く出るようである.血液の循環動態に関係するもので,どちらにしろ過度の圧迫とか,うっ血などには注意せねばならない.②抗凝固剤,静脈血で検査する場合が多くなり,種々の抗凝固剤が使われているが,それらの影響も考慮せねばならない.概して赤血球数,網赤血球数に対する影響は少ないようである.③測定するまでの時間および測定までの検体の保存の仕方についても注意する必要がある.また,異常と判断する前に正常値のとり方も大きな問題である.当然なことながら絶対的な正常値というものはない.正常ということば自体人為的なもので断定しうる根拠を持たないからである.これらの人為的に決められた正常と称する人たちの検査結果の平均値(M)と標準偏差(SD)からその分布状態を知り,M±2 SDを正常値の範囲と定める場合が多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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