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文献詳細

雑誌文献

臨床検査18巻7号

1974年07月発行

文献概要

Senior Course 血液

抗核抗体,LE細胞および補体

著者: 中島弘二1

所属機関: 1山口大・第3内科

ページ範囲:P.802 - P.803

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 自己免疫性疾患とは,個体の正常の体構成因子と免疫学的反応を起こす免疫学的適格細胞または抗体が,ある個体の中に出現した結果臨床症状あるいは機能障害を生じている状態をいう.血液に関するものでも自己免疫性溶血性貧血,特発性血小板減少性紫斑病(現在では免疫性血小板減少症と呼ぶ人もある)などがあり,それぞれ赤血球または血小板に対する抗体を産生することがよく知られている.自己免疫性疾患の中に細胞核またはその構成成分に対する抗体(抗核抗体)を産生している全身性エリテマトーデス(SLE)がある.古くから検査室で行われているLE細胞の検査はこの自己抗体を検出するものであり,SLEの診断にとって必須の検査であった.最近,SLEの自己免疫性疾患としての研究から,より特異性,感度の高い自己抗体の検出法として螢光抗体法による抗核抗体の検出が各検査室で行われるようになってきた.抗体は細胞内に浸入することはなく抗核抗体がSLEの病態発現の原因であるか結果であるかはまだ明らかではないが,障害を受けた細胞核に対するLE現象と同じ機序によって起こると思われるヘマトキシリン体の組織学的証明,抗核抗体価および補体価の増減と臨床症状の関係より,この免疫異常がSLEの病態発現に深い関係を持っていることは明らかである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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